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猫の去勢時期はいつが最適?メリット・費用・注意点を解説

はじめに

子猫を迎えると、多くの飼い主様が気になるのが「去勢手術はいつ受けさせるべきか」という点です。
去勢は繁殖を防ぐだけでなく、病気の予防や発情による行動トラブルを減らす大切な処置です。
しかし、手術の適切な時期や流れ、費用については猫の成長や体質によっても異なり、迷われる方も少なくありません。

この記事では、去勢手術の必要性やメリット、適切な時期、費用の目安、事前検査から当日の流れまでをわかりやすく解説します。
愛猫にとって最適な判断をするために、ぜひ参考にしてください。

猫の去勢手術の必要性とメリット

去勢手術は、オス猫の精巣を摘出して繁殖能力をなくす手術です。
単に子どもをつくらせないためだけでなく、健康面や生活の質を守るために大切な処置といえます。

メリットは、望まない繁殖を防げることです。
外へ出る猫や多頭飼育の家庭では、思いがけず子猫が増えてしまう心配をなくせます。
また、去勢を行うことで精巣腫瘍や前立腺疾患のリスクを大幅に下げられるほか、ホルモンの影響による発情ストレスを軽減できることも大きな利点です。

さらに、行動面の改善にもつながります。
マーキングの尿臭や大きな鳴き声、外に出たがる行動が減ることで、飼い主様も猫も落ち着いた生活を送りやすくなります。

このように去勢手術は猫の健康と暮らしを守るうえで重要です。

去勢手術を行う適切な時期

猫の去勢手術は、一般的に生後5~6か月頃が目安とされています。
この時期は精巣の発育が安定し、体格や体力もしっかりしているため、全身麻酔を安全に行いやすいからです。
発情が始まる前に手術をすることで、マーキングや大きな鳴き声といった発情行動が習慣化するのを防ぐことができます。

ただし、すべての猫に一律の時期が当てはまるわけではありません。
体重が十分に増えていない子猫や、体調に不安がある場合には、獣医師の判断で手術を先送りするケースもあります。
また、潜在精巣(陰睾)のように精巣が陰嚢に降りていない場合は、位置を確認してから手術方法を調整する必要があり、通常より慎重に時期を見極めることが求められます。

潜在精巣(陰睾)については、下記のコラムでも解説しています。

さらに注意したいのは、あまりに早い時期に去勢すると尿道が十分に発達せず、将来的に尿路疾患のリスクが高まる可能性があるという点です。
発情行動を抑えたいあまりに早急に手術してしまうと、かえって健康上のデメリットを招く場合があるのです。

このように、去勢の適切なタイミングは猫の発育や健康状態によって変わります。
時期を誤らないためにも、早めに獣医師へご相談いただき、一緒に最良のタイミングを見極めていきましょう。

去勢手術にかかる費用

猫の去勢手術にかかる費用は、地域や動物病院によって幅がありますが、おおよそ1万5千円〜3万円程度が一般的な相場とされています。
この金額には手術そのものだけでなく、全身麻酔、必要な薬剤、術後の処置などが含まれる場合が多いです。
ただし、病院によっては術前検査(血液検査や画像診断)が別途必要となり、その分費用が追加されることもあります。

また、体格や年齢、健康状態によっても検査や管理内容が変わり、同じ去勢手術でも費用に差が生じます。
ただ安さだけで選ぶのではなく、安全に配慮した環境であるかどうかを確認することも大切です。

費用や手術の流れについては、事前にしっかり相談しておくことで安心につながります。
詳細は猫の状態によっても異なりますので、気になる点があればどうぞ当院までお気軽にご相談ください。

去勢手術までの事前検査と当日について

去勢手術を安全に行うためには、まず術前検査が欠かせません。
一般的には血液検査で肝腎機能や貧血の有無を確認し、必要に応じてレントゲンや心電図などを追加して全身麻酔に耐えられるかを評価します。
若い猫でも隠れた疾患が見つかることがあるため、事前チェックは重要です。

手術当日は、通常朝から絶食・絶水となります。
これは麻酔中の嘔吐や誤嚥を防ぐための大切な準備です。
来院後に体調の最終確認を行い、全身麻酔下で精巣を摘出します。
手術は比較的短時間で、日帰りのことが多い一方、回復具合によっては1泊入院となる場合もあります。
帰宅後は安静と創部の舐め防止(エリザベスカラー等)がポイントです。

このように、去勢手術は検査と当日の準備が重要です。
猫の健康状態や生活環境によって流れが変わることもあります。
当院では一頭一頭に合わせて丁寧にご説明いたします。
どうぞ安心してご相談ください。

まとめ

猫の去勢手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、病気や行動トラブルを減らす大切な処置です。

一般的には生後5〜6か月頃が適切とされますが、体格や健康状態によっては時期を調整することもあり、潜在精巣のような特殊なケースではさらに注意が必要です。
手術には事前検査や当日の準備が欠かせず、安全に行うためには獣医師の適切な判断が不可欠です。

費用や流れも猫それぞれで異なるため、自己判断せず早めに相談することが安心につながります。
去勢手術の時期や方法に迷ったときは、当院で丁寧にご説明いたしますのでご安心ください。