循環器科
心臓病について
医療が発展したことで、ペットたちも長寿化が進んでいます。それによって、以前よりもがん、心臓病、腎臓病への対応も増えています。特に心臓病はわんちゃんでもねこちゃんでも死亡原因の上位となっています。
よくいただくご質問
- どんな病気なのですか?
- どれくらい重症なのでしょうか?
- どのように病気が進んでいくのでしょうか?
- 服用している薬は合っているのでしょうか?
- 食事の制限や与えないほうがよいものはありますか?
- 現段階で治療は本当に必要ですか?
- 他の治療法はないのでしょうか?
- 検査はどのくらいの頻度ですればいいですか?
- 日常生活で気をつけることはありますか?
- ダイエットや運動制限について
「心臓に疾患がある」と診断された場合、飼い主様は強い不安に襲われることと思います。
とはいえ、適切な対処をするためにも、疾患の特徴を知ることは重要です。
ぜひ当院と一緒に、診療に取り組んでいきましょう。
こんな症状はありませんか?
- 寝ていることが多くなった
- 呼吸が荒いことがある
- 咳が出ている
- 散歩など、運動を嫌がる
- 安静時も呼吸が多い
- 失神したり、ふらつくことがある
- お腹が膨らんでいる
- 突然四肢が麻痺した
上記のような症状は心臓病の危険があります。
心臓病の検査方法
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身体検査
心臓の音、心拍数、リズム、呼吸の音、呼吸数、呼吸様式などのチェックや全身状態の確認を行います。
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レントゲン検査
心臓のサイズ、血管の走行、肺や気管支の状態を把握します。
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超音波検査
対象部位に超音波を発して、跳ね返ってきた音波を画像として返還する検査です。リアルタイムで臓器の状態を、視覚的に把握することができます。
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心電図検査
心電図検査では、心拍数や脈の強さを把握できるので、不整脈の有無も確認できます。状態によって早急な治療が必要なこともありますが、経過観察とする場合もあるので、まずは丁寧に診断します。
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血液検査
血液検査は、さまざまな情報を得るために役立ちます。心臓病は、他の臓器の不具合に起因することがありますし、ホルモン分泌の影響による可能性もあります。また、心臓の機能が低下すると腎臓に負荷をかけることもあるので、血液検査で身体の状態を確認します。
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血圧測定
心臓病に対するために処方するお薬の中には、血圧を低下させるものもあります。そのため、血圧が正常かどうかも確認します。
その他の検査
場合によっては尿検査や腹部超音波検査などの検査を実施して最終的な診断と治療方法を提示することもあります。これらの検査結果を総合的に評価します。(※毎回全ての検査を実施する訳ではありません)
循環器科でよく診る病気
わんちゃんによくある心臓病
- 慢性心臓弁膜症(特に小型犬の僧帽弁内鎖不全症)
- 肺高血圧症
ねこちゃんによくある心臓病
- 肥大型心筋症
- 僧帽弁異形成、閉鎖不全症
- 心筋梗塞
心臓病の治療について
愛犬・愛猫の心臓病の治療に関してご不明な点がございましたら是非一度お問い合わせください。
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薬物療法
心臓病があるわんちゃん、ねこちゃんの治療は、投薬による内科的治療が中心です。心臓病に対する投薬は、根治を目指すものではなく、症状を抑えたり、進行を遅らせたりするために行います。また、治療はその動物の生涯にわたって続くことがほとんどです。そのため定期的に検診をご利用いただくようご案内しています。
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外科治療
状態によっては、外科的治療を実施することもあります。心房静止や房室ブロックであればペースメーカー植込み手術が必要なケースがありますし、肺動脈弁狭窄症や動脈管開存症であればインターベンション治療を検討します。心室中隔欠損症や慢性心臓弁膜症なら人工心肺装置を使った開心術が必要なこともあり、これらの場合、連携する医療機関をご紹介しています。